News Topics ご挨拶 JOSKASについて 大会案内 演題登録 交通・宿泊案内 受講取得単位について お問い合わせ

 ごあいさつ



藤田保健衛生大学 耳鼻咽喉科
会長 : 内藤健晴


 このたび、第4回日本小児耳鼻咽喉科学会総会ならびに学術講演会を開催する栄誉に預かりまして大変光栄に存じます。市村恵一理事長はじめ、理事、評議員、役員、会員の皆様には、厚く御礼申し上げます。会期は、平成21年6月27日(土)、28日(日)の2日間で、名古屋国際会議場にて開催いたします。

 当教室が小児耳鼻咽喉科学と特に深く係わるようになったのは、1986年に小生がカナダのトロントこども病院耳鼻咽喉科にクリニカルフェローとして留学し、北米での小児耳鼻咽喉科臨床に強く携わったことから始まったように思います。1988年に帰国し、1991年に関連施設から大学病院に戻った後は、耳鼻咽喉科領域の様々な小児特殊疾患を取り扱うようになり、当施設に近隣から患児が徐々に集まるようになり、現在では、東は東北、西は九州からご紹介いただけるまでになりました。こうした状況が、当教室へ本学会開催のご下命をいただけた最大の理由ではないかと考えております。

 さて、今回、本学会を担当するに当たり、2つのテーマを掲げてみました。1つは、小児耳鼻咽喉科学が海外および日本でどのようになっているのかを見つめ直す「小児耳鼻咽喉科学というものの再確認」であり、もう1つは、小児を主として取り扱う耳鼻咽喉科医と小児科医が互いの情報を共有する「耳鼻咽喉科医と小児科医との疎通」です。

 その結果、今回の特別プログラムは以下のようなものになりました。
 招待講演と特別講演は、「小児耳鼻咽喉科学というものの再確認」をテーマとして企画しました。まず、招待講演は、小生の留学先であるカナダのトロントこども病院耳鼻咽喉科の部長を一昨年まで長年にわたり務めてこられたWilliam Crysdale前教授をお招きしました。講演のタイトルは「A Short History of Canadian Pediatric Otolaryngology/Sialorrhea− My Clinical Passion」で、北米での小児耳鼻咽喉科学発展の歴史とその特徴についてお話を伺います。
 一方で、日本の小児耳鼻咽喉科学発展の歴史はどうでしょうか。特別講演では、日本小児耳鼻咽喉科学会が研究会であった頃から長年にわたりその発展に貢献してこられた国立成育医療センター耳鼻咽喉科前部長の川城信子先生に「日本における小児耳鼻咽喉科学発展の歴史と今後の展望」というタイトルで、ご自身の経験を中心に、その歴史と展望についてお話しいただきます。
 国内外の小児耳鼻咽喉科学というものをまとめて理解するには、この2つのプログラムは、ちょうどよい企画ではないかと思います。

 もう1つのテーマは、小児耳鼻咽喉科学の知識や情報を小児科医に発信し、小児診療の耳鼻咽喉科に関する知識の普及と双方の協調を図る「耳鼻咽喉科医と小児科医の疎通」です。そのため、多くの小児科医に、本学会へ興味を持って参加していただけるような2つの企画を準備いたしました。
まず、教育講演では、工藤典代教授(千葉県立衛生短期大学)による「小児科医に知ってもらいたい中耳炎の知識」と、黒野祐一教授(鹿児島大学耳鼻咽喉科)による「小児期における扁桃の役割と扁桃摘出の適応」というタイトルで、教育的な講演を2題準備いたしました。この2題は、小児科医に限らず耳鼻咽喉科医にとっても魅力的なものであると思います。
 最近、小児においても難治で長引く咳が問題となり、咳喘息、喉頭アレルギー、後鼻漏症候群、胃食道逆流症、心因性など複数科にまたがった原因があげられます。このように咳という1つの症状でも複数科に重なった原因が存在する問題について耳鼻咽喉科、小児科の双方から考えるシンポジウムとして、宇理須厚雄教授(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院小児科)の司会で「小児持続性咳嗽の原因と治療」というテーマで、この領域に造詣の深い、阪本浩一先生(兵庫県立こども病院耳鼻咽喉科部長)、望月博之准教授(群馬大学小児科)、増田佐和子先生(国立三重病院耳鼻咽喉科部長)の3名のシンポジストと小松原 亮先生(藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院小児科)に追加発言お願いし、科を超えて討論していただきます。

 また、初日のお昼は、ランチョンセミナーIで新島新一教授(順天堂大学練馬病院小児科)に「耳鼻咽喉科医に役立つ小児疾患の診かた〜安全な抗ヒスタミン薬の使用法」という興味深いお話を、2日目のランチョンセミナーIIでは、大久保公裕准教授(日本医大耳鼻咽喉科)から「小児アレルギー性鼻炎のトピックス」というタイトルでお話をしていただきます。ご参加の先生方には、昼食時も会場で楽しく過ごしていただきたいと存じます。

 さて、会期が梅雨時で足元の悪い季節ではありますが、今回、耳鼻咽喉科医、小児科医の双方にとって大変興味深い特別プログラムを企画し、また、懇親会では名古屋の名物を取り揃えて皆様方をお迎えするよう教室員・同門会員一同、心を込めて鋭意準備をしております。会期が土曜、日曜とご開業の先生方にも出席していただきやすいことと、日本小児科学会認定の学会ですので、小児科の先生方にも専門医の学会参加票を提出することができる恩恵もございます。耳鼻咽喉科、小児科、両科の先生方には、どうか、多数ご参加いただきますようお願い申し上げます。